東京TDC賞:曾 建華
2007 TDC賞

Experimental work
Nil 「Untitled (無題)- Hong Kong」

「Untitled _ Hong Kong」は2003年にロンドンから香港に戻ったときにつくった作品だ。香港を離れていた1年間、自分はよそ者のようで、中国人や香港人の行動がなんだか奇妙に感じられた。たぶん、以前は慣れてしまっていただけでわからなかったが、一度外から見ることで、香港の中国本土の人々への見方が変わってきていることに気がついた。親切でよくするようになっていたのだ。もちろん、香港人が突然そんなに親切になったのはお金のためだと、最終的にはわかったのだが。それで、香港の人間と中国本土の人間がお互いをどのように見て、どう感じているのかを作品にすることを考え始めた。これは私自身の両者に対する感情であると同時に、それぞれのお互いに対する見方でもある。中国人、香港人、そして香港についての作品である。


曾建華(ツァン・キンワ)

1976年中国広東省生まれ。1982年香港に移住。2000年に香港中文大学ファインアート学部卒業後、英国チーブニング奨学生として2003年ロンドン・インスティテュート キャンバーウェル校より修士号取得。 作品の多くは、ののしりことばをエレガントなイメージと組み合わせることによって特定の意味を持たせることを狙っており、またそれを壁紙という形で表現することで、その場に特有なインスタレーション空間をつくりあげている。「The State of Things(物の状態)」(オスロ国立美術・建築・デザインミュージアム)、「プレビュー」(ファットギャラリー、パリ)、「30×30」(ヴァーティゴギャラリー、ロンドン)、香港アートビエンナーレ(2001、2003、2005)、オランダデザインウィーク2005(テンポラリー・アート・センター、アイントホーヘン)など、近年多くのグループ展に参加。個展は「ショーケース:Tsang Kin-wah」(東京、2006)、「ウォールペーパー:ペイントパターン」(バルセロナ、マドリッド、2006)、「ホワイトキューブ」(香港、2005)、「スペース」(上海、2004)ほか。主な受賞に2005 Sovereign アジアン・アート賞、香港アートビエンナーレ2001優秀賞など。Sovereign アート財団、チューリッヒデザインミュージアム、香港アートミュージアム、キャンバーウェル美術大学(ロンドン)ほか個人コレクターにより作品所蔵。