タイプデザイン賞:河野英一+シーアンドジイ(坂本 達、鈴木竹治、植田由紀子)+マシュー・カーター
2007 TDC賞

Typedesign
Microsoft Corporation―Meiryo font メイリオ

古今東西、近代印刷術の父祖と呼ばれるグーテンベルグの発明「活版術」が全世界へ急激な情報革命の光を投じて以来、 欧文の世界では「文字作り」が知識の泉である本のデザインの源泉と見なされています。今でも超高級な印刷本はこの伝統に磨かれた高品質の活字で印刷されているほどです。「活字作り」が20世紀後半「写植文字作り」に代わり、今は「デジタル文字作り」に代わっています。「紙」も「スクリーン」に代わりつつ、絢爛豪華なカラー3Dグラフィックで活字離れは進む一方と言われますが、文字がなければ携帯も使えません。技術は常に変遷します。今、書物からビジネス書類まで、欧文と和文の文字を横組で混植することが日常化してきています。これからも、ますます混在化する異なった言語や文化を理解するためにも、役に立つフォントや本作りを目差したいと思います。
(河野英一)


河野英一

英国在住自由業 (タイポグラフィック・デザイナー、英国ブライトン大学シニア・リサーチ・フェロー) 東京生まれ。脱サラ、 最低レベルの英会話力にて1974年33歳で渡英。欧文文字のデザイン・扱い方やグラフィックの学生となる。卒業後、ロンドン地下鉄の書体を本文用に改作、英国電話帳ページのスペース節減や可読性向上、経済誌・英国エコノミストのデザインなどに従事。最近の仕事は、スクリーン上の読みやすさを大きく改善したマイクロソフト・ウィンドウズ・ビスタの新標準フォント「メイリオ」のデザイン。


株式会社シーアンドジイ
(右より鈴木竹治、坂本 達、植田由紀子)

1985年創業。1993年、現在の社名に変更。
高度情報化社会を洞察し、特に大型、高精細な映像用として機器に合わせた視認性、可読性に優れたフォントを目指し、加えてコミュニケーション要素としてのアイコン、イラスト、グラフィカルユーザーインターフェイスの作成、開発。
また台湾 Arphic Tecnology.,LTD の代理店としてフォント関連のソフトウェア、機器組込用フォント、各種言語にも対応出来るようにフォント関係の守備範囲を広げ、現在の Windows Vista メイリオの開発に繋がって来ている。


マシュー・カーター

タイプデザイナーとして金属活字からデジタル書体まで文字生成技術に関わる50年の経験を持つ。ライノタイプ社とビットストリーム社を経て、カーター&コーンタイプ社を設立、マンティニア、ソフィア、エレファント、ビッグキャズロン、ミラーなどオリジナル書体のデザインを手掛ける。またカーターによる主な書体にITCガリアード、スネル・ラウンドハンド、シェリー・スクリプツ、ヘルベチカ・コンプレッスド、オリンピアン、ベル・センテニアル、ITCチャーターなどがある。最近では、ウインドウズ・ビスタ「メリオ」の欧文書体開発を手掛ける。現在、英国王立芸術協会名誉会員、AGI会員, またエール大学で教鞭を執る。