東京TDC賞:フェルナンド・デ・メーリョ・ヴァルガス
2008 TDC賞

Type design
FRIDA

新聞の印刷技術が向上し、サイズが小さくなり、新聞が雑誌に近づくにつれ、テキスト書体に関する新しい実験が重要性を持つようになった。コラムやキャプション、見出しなどにおけるテキストの長さの節約や、タイポグラフィ上の複雑な階層の必要性も、新しい新聞の書体システム開発をせまられる要因と考えられるだろう。フリーダは、紙面により活気をもたらすため、アイオニック・クラレンドン体に、後期ルネッサンスの書体に見られるカリグラフィ的特徴を組み合わせて作られたもので、新聞ではあまり見られなような書体である。また、コンテンポラリーな感性と自己表現を実現しようとしたものでもある。
 タミール・バージョンは、多言語出版物でこの書体ファミリーを使用することを考慮し、欧文書体のプロポーションに合わせてある。乾燥させた椰子の葉に記された古い書体に由来する、丸みのある字形。コンピュータ・アプリケーションに対応させる際の問題のため、過去に優れたタミール書体を生み出してきた会社が、それらの書体を再リリースすることはかえって難しい。オープンタイプがもたらした可能性が、適切な組版システムの開発とともに、タミール文字の書体デザインを再び活気づかせている。


Fernando de Mello Vargas

サンパウロの建築・グラフィックデザイン学校を卒業後、ブラジルを代表するグラフィックデザイナー二人に師事。また、ラテンアメリカ最大手新聞社、フォーラ・デ・サンパウロ紙にて1 年間のインターン。これらの経験から、グラフィックデザイン、タイポグラフィ、タイプデザイン、イラストレーションに関連した様々なプロジェクトに幅広く関わる機会を得る。現在ロンドン在住。レディング大学のタイプデザイン修士課程在学中に『Frida(フリーダ)』を制作、優秀な成績を修める。