Tokyo TDC Annual Awards 2009
タイプデザイン賞:エマヌエラ・コニディ
2009 TDC賞

Type Design
「Nabil」

Nabilは、レディング大学で1年間タイプデザインの修士課程を修めた成果ともいうべきものです。この書体は、レギュラー、イタリック、アラビックの3種類の書体を新聞用にデザインしたもので、現在、まだ進行中のプロジェクトです。このデザインの特長は、ラテン・アルファベットとアラビア文字という二つの文字形式について、それぞれ独自の本来的なデザインを開発しつつも、それらを調和の取れたひとつのグループとして一体化していることにあります。レギュラー体は、19世紀の書体から影響を受けたコンテンポラリーなデザインです。滑らかな曲線と角張ったセリフを組み合わせたすっきりとしたラインは、全体として気品のある硬質さを感じさせます。イタリック体には、これらの特徴に快活なタッチを加えました。アラビック体は、カリグラフィーの書体として現在最も普及しているNaskhをベースにしています。Naskhはコーランの写本にふさわしい書体として15世紀に好まれた書体です。Nabilはアラビア語、ペルシア語、ウルドゥー語のほか、ラテン・アルファベットを用いる言語の大半で使用することができます。



Emanuela Conidi

19世紀イタリア書体についての優れたリサーチで、2006年にミラノ・ポリテクニック、インダストリアル・デザイン科卒業。在学中はタイポグラフィ史に関する様々な特別講座を受講し、活字組版、製本、活版印刷などを体験する。ミラノのグラフィックデザインスタジオ勤務後、英国のレディングへ渡り、優秀な成績でタイプフェイス・デザインの修士号を取得。現在ロンドン在住、書体デザイナーとしてフォントスミスに勤務。