99 TDC年鑑 一般審査員特別賞:フィリップ・アペロイグ

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1999 TDC賞



 

Fete du Livre, Aix-en-Provence 1998
"Lire la Caraibe"

エクス・アン・プロヴァンスで毎年開催されているブックフェスティバルのポスター。テーマは「カリブ文学」だった。カリブ=バケーションの地というイメージを脱却しよう。制作前に多数の本や音楽に接し、多様なイメージを集めた。高温高湿度の気候が色と光を鮮やかにし、昼と夜の興味深い比較を創り出している。本からは、緊迫した情勢の中での作家の政治的姿勢(多くが亡命生活を送っている)や、文盲率の高い国における社会的役割が読み取れた。このポスターはカリブ諸島の複雑な状況を反映している。詩的な雰囲気の中で悲しさと陽気さの両方を表現したかった。光と陰の強烈なコントラストをダンスモーションで構成。タイポグラフィが踊り、人間の存在を呼び起こす。叫ぶような大きく強い文字、椰子の木と開いた本のイメージの調和。動きと感情の力強い印象を引き出せた。このポスターの中では全てが不変だ。それはテクノロジーや伝統、知識のみによって創られたのではなく、イメージとタイプレイアウトの実験的試みの結果として生まれた。



Philippe Apeloig
1962年パリ生まれ。パリの国立装飾美術学院に学んだ後、アムステルダムのトータルデザインおよびロスのエイプリル・グレイマンの下で学び、'89年パリにオフィスを設立。現在、パリの新ユダヤ美術館のグラフィックイメージをはじめ、ルーブル美術館、オルセー美術館、ニームの現代美術館など公共機関の活動に携わる。'94年フランス文化省より奨学金を獲得、ローマのフランス芸術アカデミー「ヴィラ・メディチ 」でタイポグラフィの抽象化や書体の開発に取り組む。1992年より国立高等装飾美術学院にてタイポグラフィを指導。